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活動報告集004.覚え書きファイル(2016.07.16他)

 今回は文章作法に関するお話です。あくまで我流ですが。  「急がば回れ」の諺にもありますが。  “いきなり完成形をものにしたい”という欲を棚に上げてみると、完成形はもとより上達への道も意外や身近に見えてくるもののようです。  ということを私は模型から学びました。←  いきなり完成させようとすると、非常に高い確率でどツボに嵌まるんですよこの趣味。  というわけで、今回は“覚え書きファイル”のお話。よろしくお付き合いのほどを。  ◇(2016.07.16)  拙作『電脳猟兵×クリスタルの鍵』、ストックの先の執筆最前線は、色々と伏線というか展開というか、これが同時進行かつ交錯するややこしい構成になっていたのでありました。過去のテコ入れ時に「これは一度頭を冷やそう」と考えていたのを思い出して今さら頭を抱えております(笑)。これだからストックがないと公開できない体質なんですな(汗)。  こういう時にモノを言うのがアイディア帳的な覚え書きファイル。悩んでるだけじゃ答えは出ないので、アイディアの整理から長広舌の全文、しまいにゃセルフ・ツッコミ入りのシナリオ・ファイルに至るまで、アイディアを書いて書いてボツにして整理しての繰り返しです。で、そのうち形になる――まで書いちゃ改めを繰り返すという。  するてえと人間不思議なもので、足掻いたら足掻いただけ出来としては前進するという。逆を言っちゃうと足掻かないと前進できない、というわけですな。この進行速度と言ったら、マジで亀の歩みです。下手すると3歩進んで2歩半くらい下がります。まあ進んでるだけマシというものですが。  というわけで、本文の進行より副産物データの累積で進行状況を実感することもあるというお話。  ◇  【コメント】私など一度構築してしまうと、それを壊したくないという強い意志が働いてしまいます。性分的に面倒くさがりなんでしょうね。で、後になって色々思い付き、あそこでこうしておけばよかった、という展開が待っているという(W  ◇  さてアイディア整理。  私も頭は固いんです、実は(笑)。ただし、完成形以前の状態であればいじり倒しても抵抗感はないと申しますか。というより、完成しないのでいじり倒すしかないというのが実情だったり(爆)。  そして基本、地道~な性分がこの際幸いしてるんだか災いしてるんだか。“氷山の一角”の言葉にありますように、“表舞台という水面上へ出る部分を大きく立派にそそり立たせようとするなら、水面下にはそれ以上のボツなり試行錯誤なりを埋もれさせる必要がある”、という思考の持ち主です。逆を取って、“足掻けば足掻いた分だけ(ちょっとづつ)作品の出来として報われる”という前向き思考というわけで。その代わり、嵌まると歩みはマジで亀並みになりますが(爆)。  この点、効率より絶対値的な出来栄えを重視するところが確かにあります。ああ、なんかバブル世代な思考回路(笑)。実際バブル世代ですが。  後からの思い付きもありますねぇ(遠い眼)。でもほとんどの場合、過去の部分はいじり難いというのが本音だったりしますので、後からの展開で何とかしようということになります(爆)。そうすると物語の行く末がどんどん読めなくなっていくという(笑)。でも、何とか面白くしようと対峙すると実際面白くなっていくから不思議です。その分、後始末というツケがどんどんたまっていくわけですが(滝汗)。そうすると物語後半は修羅場に(爆)。でも面白くなってるんだからやめられないという(笑)。そしてヒィヒィの茨の道が(笑)。  この辺、ヒィヒィなのはお互い様のような気もしますね。やっぱり面白くしようと思ったら苦労は避けられないと(笑)。  ◇  どこかで「読みやすい文章ほど作者は七転八倒して書いている」という言葉を見かけた気もしましたが。  ごく一部の例外を除いて、まず的を射ていると言わざるを得ません。自分で七転八倒して身に沁みました。  ◇(2016.11.25)  さて執筆最前線。絡み合う事実関係を解いてほぐしてまた絡めるという裏方作業に勤しんでおります。こういう局面で大活躍なのが覚え書きファイル。事実関係を並べ、時系列や開示順を整理してからカット&ペーストで実況らしく並べていくのに、やはり本編とは別の整理用ファイルは便利です。  私はこの覚え書きファイル、状況によっては1つと言わず2つ3つと用意して、あるいは裏設定ごとに事実関係をまとめたりして、もはやいくつとなく出来上がっております――さっき数えかけてやめました(笑)。  この方法、意外とお薦めです。一気に書き上げたい気持ちの手綱を取り、そのシーンに何を盛り込むべきか、これが大体見えてくるからでして。  ……とか言っても筆が暴れるときは暴れるんですけどね(汗)。でなきゃプロットで全部決まってますがな――ということは、アドリブも多分に重要ということではありますね。まあ、アドリブ効いた分はまた覚え書きへその事実を反映して、また整理――これの繰り返しです。  ◇  結局、作者がヒィヒィ言った分だけ物語は面白くなる――という、ある種まっとうな結論に落ち着くのですが。やっぱり苦労は報われると申しますか、楽はできないものですね(笑)。  ここでお勧めいただいたのが『映画を書くためにあなたがしなければならないこと シド・フィールドの脚本術』。これが大当たりだった件につきましては、次回にご紹介させていただくことといたします。  よろしければまたお付き合いくださいませ。  それでは引き続き、よろしくお願いいたします。


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